中国市場の魅力とは?株価からみた中国市場の今後

13.8億人という世界最大の人口を誇る中国は、一時の勢いは衰えたとはいえアメリカについで世界第2位のGDPを誇っています。近年、日本国内の消費が頭打ちになり、隣国である中国市場への進出を考える企業さまは多いはずです。そこでこの記事では、中国市場を

・株価

・GDP

・企業動向

などの観点から解説し、中国市場の魅力や進出にあたっての注意点などを説明させていただきます。

中国市場の株価、GDPの動向

中国株式市場の基本情報

ご存知の通り中国は広大な国土を持つ国です。経済活動も大きく2つの市場で行われています。それが「中国本土市場」と「香港市場」です。

さらに「中国本土市場」は、上海市場と深セン市場に二分することが出来ます。この2つの市場には、それぞれ、中国国内の投資家に限られたA株市場と海外からも投資ができるB株市場に分かれています。

「香港市場」は、メインボードとGEM市場に分けられます。また、香港市場に上場する株式は香港株、H株、レッドチップに大別することができます。

もちろんぞれぞれの市場で上場する企業は異なりますので、中国市場を考える上ではそれぞれの動向を追っていきたいところです。

世界市場との株価の動向比較

では、中国市場の規模はどのくらいなのでしょうか。各国と比較した図をみてみましょう。

参考:野村資本市場研究所|市場の各種推移≪株式市場≫

http://www.nicmr.com/nicmr/data/market/stock.pdf

上のグラフは、主要取引所の株式時価総額の合計を比較したものです。上半分がニューヨーク、ナスダック、ロンドン、ユーロネクスト、ドイツ、東京の6つの大きい証券取引所。

下半分は上海、香港、インド、韓国、シンガポール、台湾です。

上海証券取引所の棒線をみると規模感は、5兆ドルに届く勢いで、比較的大きいとされる上部6つの規模と遜色がないほどに成長しています。また、成長も著しく、伸びしろを考えればかなりのポテンシャルがあると言えます。

世界各国とのGDPの動向比較

1993年から海外投資家による投資が増えたこともあり、中国市場は急成長しました。

中華人民共和国国家統計局は、2005年にはイタリアを抜き世界6位の経済規模になったと発表しました。翌2006年にはイギリス、フランスを抜き世界第4位と発表、2010年には日本を抜き世界第2位の規模へと成長しています。

以下の図は文部科学省が発表した主要国のGDP将来推計です。

出典:文部科学省

http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa200801/08060518/005.htm

日本が横ばいなのに対し、中国は右肩上がり、2040年を過ぎる頃には米国を抜き世界1位の経済大国になることが予想されています。

中国発の大企業、BATB

バイドゥ

百度(バイドゥ)は最近では、テンセントやアリババに少し差をつけられたイメージがあるが、2018年の決算では1.6兆円の売上高を誇る大企業です。中国企業ではありますがNASDAQに上場しているため少しややこしい感じもしますが、中国内では、検索エンジンとして有名な企業です。

baidu.comというドメインはバイドゥの提供する検索エンジンサービスです。中国では最大の規模で、約70%のシェアを誇り、世界でもGoogleに次いで世界2位の検索エンジンとなっています。

「中国版Google」とよばれTOPページもGoogleに似たシンプルなデザインになっています。デザインだけでなく毎日1億人が利用している巨大プラットフォームです。

出典:http://www.baidu.com/の内キャプチャ

バイドゥはその他にも、SNSやニュースサイト、知恵袋サービス、音楽サービス、地図…など様々なサービスを運営しており検索サービスだけに留まらず新しいサービスを作り続けいています。

また、バイドゥは「AI企業」としても有名です。「オール・イン・エーアイ(All in AI)」戦略の下、2016年ころからAIをつかったサービスを展開しており、AIのリーディングカンパニーとして注目されています。

アリババグループ

アリババといえば、「中国版Amazon」です。中国最大のC to C(Consumer to Consumer)、ECプラットフォームを運営し、B to B(Business to Business)のEC取引では世界トップクラスのシェアを誇っています。

EC事業のサービスも複数のサービスを展開し拡大をしています。

・「アリババドットコム」BtoB ECプラットフォーム

・「タオバオ」CtoC ECプラットフォーム

・「天猫」BtoC EC

・「天猫国際」越境ECプラットフォーム

・決済サービス「アリペイ」

など。

出典:https://www.alibaba.co.jp/corp/group/内より引用

アリババグループは1999年の創業からEC事業で拡大し、瞬く間にアジア圏最大規模まで上り詰め、世界ではAmazonを脅かす、中国の注目企業となりました。2014年のニューヨーク取引市場上場時には時価総額2,000億ドルに及ぶなどかつてないスピードで成長を遂げています。

そのほか、EC領域だけでなく「自動車向けAR」の分野に力をいれており、ナビゲーションホログラム開発のスイス企業WayRayに対し、約1,800万ドルを出資すると発表しました。最終的には声だけでの操縦を目指しているといい中国最大の自動車メーカーである 「上海汽車(SAIC Motor)」と連携し進めているプロジェクトです。

アリババグループは中国のEC事業だけでなく、海外事業の拡大を図り、世界有数のIT企業の買収を繰り返しています。こういった動きからも世界で注目される企業です。個人的な見解ではありますが、他国企業が進出しずらい中国内のEC領域を抑え、それを基盤としているためAmazonやGoogleよりもやや有利な位置にいるのではないでしょうか。

今後も注目せざるを得ません。

テンセント

テンセントといえば、中国最大のSNS「WeChat(微信)」、そして「Weibo(微博)」を運営する、今最もホットな中国IT企業ではないでしょうか。

2018年1月、テンセントは時価総額5,000億ドルを超え、Facebookを凌いで世界第5位に位置する大企業です。日本のトップであるトヨタの2倍以上の時価総額であると考えれば、テンセントがどれだけ大きな会社であるかは容易に想像がつきますね。また、中国国内では、アリババグループとアジアトップを競う企業となっています。

主力のWeChatは月間アクティブユーザー(MAU)は10億人を超え、コミュニケーションアプリという側面以外にも「WeChatペイ」という決済サービスでもあり、中国では当たり前のようにWeChatペイの電子決済が使われています。

WeChatペイのライバルはここでもアリババグループが運営する「アリペイ」という決済サービスです。アリペイの方が少し早くサービスを展開しているため中国でのシェアはアリペイが勝っていますが、コミュニケーション基盤としてのポテンシャルや成長を加味するとWeChatペイが優勢になりそうです。

またテンセントを語るうえではずせないのがゲーム事業です。世界でも売上トップを記録し、オンラインアプリゲームを中心に拡大をしています。テンセントの売上の中でも約3割を占める事業となっています。

アリババやバイドゥと比較すると、コミュニケーションアプリや決済サービス、動画サービスやネットゲームなど、より生活者に近いサービスが多く、認知も広がりやすいため、今後どう作用していくかが楽しみな企業です。

バイトダンス

「バイトダンス」というと聞きなれない企業名かと思いますが、「TikTok」といえば日本でもかなり有名でしょう。そうです、バイトダンスはショート動画SNSサービス「TikTok」を運営する企業です。

(出典:GooglePlay内のキャプチャより抜粋

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ss.android.ugc.trill&hl=ja)

バイトダンスは中国最大の未上場スタートアップとして躍進をする世界でも注目されているユニコーン企業です。創業は2012年とまだ若い企業であり、中国国内のみならずいち早くグローバルにサービスを展開しています。

主な収入は広告収入であり、検索エンジンをもつバイドゥの広告収入を凌ぐほどです。中でもTikTokの収入は群を抜いており、バイトダンスの収益の中でも内33%を占めるほどになっています。

2019年には香港での上場も控えており、目が離せません。

中国市場の魅力

成長を続ける中国市場

中国市場で注目すべきはやはりIT領域です。その中でもとりわけ急成長をしているのがEC市場とゲーム市場です。

中国のEC事業は年々拡大を続けています。

iResearchがまとめた中国EC市場の成長率と総流通額のグラフでは、2012年から2019年にかけて毎年2桁の成長率を記録しております。

(出典:iResearch

http://www.iresearchchina.com/content/details7_30424.html)

※折れ線グラフが成長率、棒グラフが総流通額です。

ゲーム市場は、2013年から2016年にかけて、2倍の市場規模へと拡大しています。

市場規模の大きさ

Newzooによると、2016年の世界のゲーム市場規模は1,011億ドルでした。その中でも中国は2013年の138億ドルから246億ドルの市場規模まで急成長しており、世界で約24%を占める世界一のゲーム大国となっています。

中国市場進出の注意点

グレート・ファイアウォール(金盾)

「ファイアウォール」とは行政や企業の内部ネットワークへの外部からの不正なアクセスを弾くセキュリティのことを言います。

「グレート・ファイアウォール」とは、中国のネット検閲システムです。簡単にいうと中国共産党や政府にとって都合の悪い情報を閲覧できないように取り締まっているシステムです。このシステムは金盾とよばれ、万里の長城にちなんでつけられた名前です。

なお、独自の法と自治権をもつ、香港とマカオの特別行政区には適用されておらず、自由にインターネットの利用ができるようになっています。

グレートフェイアウォールによってSNSのFacebookやTwitter、YouTubeなどの米国由来のサービスも監視対象になっており、規制されているためFacebookなどのSNSを使って中国国内で情報を発信することが難しくなっています。

認知施策の徹底

先のグレートファイアウォールによって、中国での認知にFacebookやTwitter、Googleのサービスは使えません。「WeChat」など中国国内でシェアの大きいプラットフォーム上で情報を発信する必要があります。また、他のSNSと同様、企業アカウントや海外からのアクセスも容易にできるため日本国内でもインバウント施策として中国系SNSを取り入れることが増えています。

購入導線の確保

中国では、日本よりもはるかに電子決済の利用頻度が高く、中国での購入導線を確保するには電子決済網を整える必要があります。店舗であれば、WeChatペイ、アリペイとの提携は始めに検討したいところです。

EC領域では、中国においては、自社展開するよりもタオバオや天猫での展開を中心に中国の生活者に対し、購入しやすい環境を整えることが第一歩ではないでしょうか。

現在では、日本の製品を購入したい訪日中国人向けに、帰国後もオンラインで購入ができるよう購入導線を引いている企業が増えているようです。

ターゲットの選定

中国市場を視野にいれるには、単に「訪日している」だけではなく、住んでいる地域や所得階層、年代まで細かく絞り込む必要があります。中国では販売価格が高くついてしまうため、まずは富裕層をといった企業も少なくないようです。

ターゲットを決めたら、市場特性や、中国人の趣味趣向、販売チャネル、販売価格を細かく設定し、戦略立てた方が良いでしょう。

中国市場まとめ

いかがでしたでしょうか。今やIT産業では、無視することのできない規模に成長を遂げる中国。中国市場を語るうえで最も重要なのはその「成長率」と「期待値」ではないでしょうか。特に近年では中国のグローバル化が急速に発展し、世界規模で渡り合えるほどに成長しています。

10年後、20年後には米国を凌ぐほどの勢いといっても言い過ぎではないと思います。日系企業にとっては、グローバルの進出を考えるならば、中国市場の動向は今後も目が離せないところです。

■参考

世界の株価と日経平均先物 上海総合指数 アジア株価 リアルタイムチャート

https://nikkei225jp.com/china/

岡三証券 中国株式、上海株式、香港株式

http://www.okasan.co.jp/service/stock/foreign/china.html

内藤証券 中国株情報

https://www.naito-sec.co.jp/chinap/

バイドゥ株式会社

https://www.baidu.jp/

テンセントジャパン

http://tencentjapan.com/

ビジネス+IT テンセントとはいかなる企業か? 時価22兆円、ゲーム世界一、WeChat11億人の脅威

https://www.sbbit.jp/article/cont1/32290

アリババグループ アリババグループについて

https://www.alibaba.co.jp/corp/group/

中国Web マーケティングラボ 「中国の百度って何?!百度を徹底解説します」

https://lxr.co.jp/blog/592/

ビジネスインサイダーJP 中国初のグローバルアプリTikTok運営するByteDance —— 創業者は35歳、武器はAIリコメンド

https://www.businessinsider.jp/post-179410

サイバーセキュリティ.com グレートファイアウォールとは!世界最高峰のセキュリティを誇る中国の壁

https://cybersecurity-jp.com/security-measures/6729

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