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爆買いは終わった?中国人の消費行動の変化

中国人といえば、「高級ブランドのショッピングバックをいくつも抱えて百貨店から出てくる…」そんな姿をイメージする方が多いのではないでしょうか?

しかし、現在ではそうした「爆買い」をする中国人は以前に比べ減少しています。

その理由には、円高の進行や中国政府の政策によるものなどがありますが、中国人の消費行動が大きく変わりつつあることにも起因しています。この記事では、中国人の消費行動の変化について解説していきます。変化に柔軟に対応し、今現在の中国人の傾向に合致したインバウンド対策を繋げられる内容となっています。

中国人の爆買い理由

2015年頃、中国人観光客がお店の品物を大量に買い占めていく映像がニュースでよく取り上げられました。このように1度に数多くの商品を購入することは「爆買い」と呼ばれ、日本に来る中国人観光客の象徴的シーンとなっていました。では何故、中国人は日本で「爆買い」をするようになったのでしょうか?

日本の方が安く買えるから

1番の理由はとてもシンプルで、中国で買うよりも日本で買うほうが安く購入できるためです。中国では年々物価が上がっており、中国国家統計局が今年11月に発表した消費者物価指数は前年同月比3.8%の上昇。この上昇幅は7年ぶりの高い伸びとされています。また、マーサーが行った世界生計費調査2019では、最も物価の高い国として香港が2年連続1位。上海6位、北京8位とランクインしており、世界の都市と比べても中国の物価の高さがかなりのものであることがうかがえます。

もう1つの理由としては、日本の免税制度です。外国人旅行客が一般消費の目的で日本で購入する物品については、日本の消費税が免除される制度になります。消費税が免除されることで、日本製品は日本で購入するほうがお得と考えあれもこれもと購入する中国人が増えていったのですね。

■参考

マーサー 『2019年世界生計費調査‐都市ランキング』を発表

爆買いが失速した理由

高級デパートや家電量販店でよく見られた中国人による爆買い。しかし近頃、こういった爆買いの光景があまり見られなくなっています。一体なぜ中国人の爆買いは失速してしまったのでしょうか?

EC法の施行

2019年1月1日に中国国内において施行された「電子商務法(EC法)」が爆買い失速の理由の1つとしてあげられます。施行前は、外国で買い付けた商品をSNSやECサイトで転売するソーシャルバイヤー(代理購入者)が多く存在しました。彼らは日本で1度に多くの商品を購入し、中国に持ち帰って売りに出します。しかし「電子商務法」が施行されたことによってソーシャルバイヤーの取り締まりが強化。海外代行販売する際は個人・法人を問わず営業許可の取得をしなければならなくなったのです。また代行販売の登録には納税も必要となりました。こうして今まで日本で爆買いし、中国で転売を行ってきたソーシャルバイヤーは容易にビジネスができなくなりその数は減少。爆買いもそれに伴って失速しているのです。

■参考

中国の電子商取引(EC)法の施行と越境ECへの影響に関する考察 | InfoComニューズレター

関税の引き上げ

中国の関税引き上げも爆買い失速に追い風をたてています。2016年に引き上げが行われ、外国で購入した商品の税率を最大60%と大幅に引き上げました。特に酒類や化粧品は高関税となっており、50%から60%の関税がかけられることになったのです。中国市民の多くがこのような高関税に不満を抱いているようですが、低迷する国内消費の活発化のため政府が強気の政策に出たといえます。日本でいくら安く買っても、自国に持ち込む際に関税が高くつくので日本で買うメリットを感じることはできません。

円高が進んだ

近年円高が進んでいることも爆買いに歯止めをかけていると考えらえます。円高とは円に対して中国人民元が安くなっていることを意味します。2018年前半は1人民元=17円程度だったのが、2019年初めには1人民元=15円台までに下がっています。為替レートが安くなれば、日本で使う予算が変わらなくとも日本円で使える金額は少なくなってしまうのです。爆買いのピークとされる2015年は円安であったこともあり、日本での買い物にお得感を感じやすかったのでしょう。それが、2015年以降は徐々に円高傾向になってきています。

現在の中国人の消費行動

では訪日し高級品などの爆買いをあまりしなくなった中国人は、何にお金を使うようになったのでしょうか?

高額商品よりも日用品の購入

実はいま日本に来る中国人に人気となっているのが、消耗品である日用品です。以前は高級時計など高額な商品が人気でしたが、近頃は医薬品や化粧品がよく購入されています。この傾向は、中国からの観光客の割合として、20代から30代の女性が多く占めていることが影響しているといえます。若い女性はコスメや健康グッズに関心が高く、日本製品は安心感があると人気のようです。また近年の税関での取り締まり強化により、日本での中国人の消費傾向が変わったともいえるでしょう。

■参考

日本政策投資銀行 訪日中国人観光客の現状と今後

爆買いよりもコト消費になっている

また、何よりの変化としては消費の対象が物から体験になっていることです。以前は物を購入するために日本に来る中国人が多く見られましたが、近頃は日本での文化的体験などを求めて訪日する人が増えています。特に人気な体験がスキーや和菓子作り、また古民家などでの滞在です。日本のスキー場は雪がサラサラしていて質がいいと多くの外国人から人気ですが、中国人にとっても同様なようです。また、SNSの普及によりさらに多くの情報が得られるようになったことから、日本の文化に関心を持つ人も増えています。より日本の内面的部分を知るために、実際に訪れて日本文化を体験しようという傾向が高くなっているのです。日本らしい体験を求めて、訪れる土地も都市から地方へと変化しています。

■参考

ダイヤモンドオンライン  中国人20万人が国慶節で訪日、爆買いやめて何にお金を使ったか

まとめ

中国人観光客といえば「爆買い」というイメージは徐々に過去のものになりつつあります。中国当局による政策や円高など、政治経済的な影響が中国人の消費傾向に変化をもたらしているのです。高級時計よりも化粧品、物消費よりもコト消費。今後中国人観光客をターゲットにする際、爆買いではなく「日用品」と「体験」がキーワードになってくるでしょう。今後も変化を見せるであろう中国人観光客の消費傾向に注目していただければと思います!

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