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中国越境EC最大手のKaolaをアリババが買収。その影響は?

ECサイトは国内向けだけでなく、国外との取引も盛んです。海外顧客との取引があるECを越境ECとも呼びますが、中国で最も人気のあるECサイトがKaolaです。

今回はそんなKaolaの概要やその強み、そして最近行われたアリババによる買収がもたらす影響についてご紹介していきます。

Kaolaとは

Kaola(考拉海購)は、中国企業のHQG Limited(網易環球購有限公司)が運営する、中国最大級の越境ECサイトです。

中国トップの越境ECサイト

経済産業省の資料によれば、Kaolaは現在中国国内において最も大きなシェアを有する越境ECサイトとなっており、そのシェア率は26%と、2位のTmall Globalの22%を引き離しての1位となっています。

参考:経産省:平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備

2015年よりサービスを開始しているKaolaは、販売こそ中国国内向けの消費者であるものの、提携企業は日本をはじめとする韓国やオーストラリア、アメリカ、ヨーロッパ各国など東アジアの近隣諸国や欧米との取引が目立っており、商品の多くは直営店が卸す「本物」の高品質を提供していることが最大の特徴です。

中国ではフェイク品や安価な粗悪品が多く出回っているため、経済成長に伴って所得が増加した中間層は、品質が保証された海外の正規品を求めてショッピングをする傾向が強まっています。

Kaolaはそんなニーズにうまくはまるサービスを提供しており、海外からの直輸入によって大きな成長を遂げました。中でも日本との取引額は非常に大きく、花王やカルビー、カシオといったメーカーとの提携はもちろんのこと、ヤマダ電機や羽田空港などの小売店との提携も結び、中国の越境ECにおいて非常に大きな影響力を持っています。

得意とする商品とターゲット

Kaolaが得意としているのは高品質な商品ですが、中でもオーガニック系の商品が非常に高い人気を集めているようです。

グレードの高い商品は中国国内では売れ筋となっているものですが、特に欧米の高品質なオーガニック商品は人気で、ベビー用品や美容系のアイテム、フードなど、ありとあらゆるオーガニック製品が売れています。

特にベビーフードやコスメアイテムなどは毎日使うものであるため、少しでも品質の良いものを使いたいというのが消費者心理です。

中国では大気汚染の問題があるばかりか、中国製の製品は品質への信頼性が低いため、きちんとした衛生管理が行われ、奥の試験をクリアして販売されている海外のオーガニックアイテムを購入したいというニーズが高いのです。

Kaolaは海外の高品質なアイテムを取り揃えているだけでなく、どれも正規輸入品であるため、国内では大きな信頼を得ています。オーガニック製品を安心して購入でいるのも、Kaolaブランドの強みです。

また、主なユーザーターゲットとしては20~40代の会社員が多いとも言われています。高品質な製品は通常のモールで販売されているものよりも高価になってしまうため、定職についている人が主な購買層になるのは想定しやすいと言えます。新規ユーザーも着実に増加している様子が伺え、今後もユーザーの母数は増加していくことになるでしょう。

Kaolaの強み

次に、Kaolaの強みについても整理しておきましょう。

直営店による高品質な出品

Kaolaは何と言っても直営店による質の高い正規品が提供されていることが最大のブランドです。

JD mallなどのように、幅広い商品を取り扱い、低価格で消費者に提供するタイプのECサイトは確かに高いシェアを獲得しやすいものの、客単価そのものは低く、品質についても管理は手薄になってしまうものです。

Kaolaは海外メーカーなどとの直接取引に限定して商品を取り揃えているため、「Kaolaなら安心して商品が買える」という地位を築くことに成功しているのです。

日本との取引が盛ん

日本の卸売業者やメーカーにとっては、Kaolaが日本を最大の取引国としている点も大きなメリットです。日本の高品質な商品を求める中国人の消費者は依然として多く、中国国内で購入できたら良いというニーズは大きいものです。

Kaolaはそのニーズをうまく汲み取っているだけでなく、積極的に日本のメーカーとも取引を行っているため、コネクションを作ることができれば頼もしい取引先となることでしょう。

低価格で中国人からの信頼も厚い

Kaolaは高品質の商品を提供するとは言え、法外な価格で消費者に販売するようなことはありません。むしろ質の高い商品を販売しているにしては相場よりも安いことが多く、消費者にとっては嬉しい価格設定となっていることも、高いシェアを占められている要因の1つでしょう。

これはKaolaがメーカーと直接取引を行い、現地で直接ブランド購入を行なっていることが、低価格を実現可能にしていると考えられます。

Kaola買収とその影響

そんな勢いのあるKaolaですが、2019年9月にアリババグループによる買収のニュースが注目を集めました。

アリババがKaolaを買収

アリババは2019年9月6日、Kaolaを20億ドルで買収し、自社傘下に置いたことを発表しました。

越境ECサービスはアリババも力を入れており、Tmall Globalがkaolaに次いで2位ということでしたが、この買収によってアリババは越境ECでも55%のシェアを獲得し、大きな影響力を有することになりました。

参考:ネットショップ担当者フォーラム「アリババが中国越境ECのKaolaを20億ドルで買収、越境ECマーケットで5割超のシェア」

Kaolaがアリババ傘下になることの影響

ただ、現状ではKaolaがアリババグループに吸収されたからといって、大きな影響が出ることは想定されていません。

Kaolaブランドは吸収後も独立ブランドとして展開されることがアナウンスされているので、別サービスへの移行などは当面のところ無いようです。買収が行われたからといって、その使い勝手変わる心配はしばらくする必要はないでしょう。

ただCEOにはアリババグループのlvin Liu氏が就任するということで、商品ラインナップやターゲットなど、微妙な方向性の転換が行われる可能性は否定できません。アリババグループ参加となった以上、他のサービスとの兼ね合いに影響されてしまいやすくなったのがどう作用してくるかはこれからの動きから判断していく必要があります。

おわりに

越境ECサービスはあまり消費者目線では注目されることも少ないものですが、メーカーや卸売業者にとっては、中国進出を考えている場合、非常に大きな存在です。特にKaolaは中国で多大な影響力を有しているため、その活用を一度は検討することにもなるでしょう。

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