世界で勝ち抜くマーケティング分かる、見つかる

増加する訪日ムスリム(イスラム教徒)の需要とは?

世界の様々な地域から日本を訪れる人が増えていますが、今増加が顕著なのはイスラム教徒です。

イスラム教徒のことをムスリムと呼ぶこともありますが、そんな訪日ムスリムが増えてきた中、日本も先進国としての文化的な寛容さが問われている時期に入ったと言えるでしょう。

今回はそんな訪日ムスリムが日本に何を求めて訪れ、どのようにして過ごすことを望んでいるのかについて見ていきましょう。

訪日ムスリムの実情

ムスリムという言葉を日本で聞くことも増えてきた今日ですが、実際に日本を訪れるイスラム教徒の数は目に見えて増えている事がわかります。

インドネシアからのインバウンド観光客が増加

特に顕著な訪日ムスリムが、インドネシア人です。昨今は東南アジア全域での経済成長が目覚ましいため、タイやマレーシア、フィリピンからのインバウンドも増加していますが、インドネシアからの訪日観光客も目立っています。

インドネシアは東南アジアでは珍しくイスラム教国家であるため、国民の大部分がイスラム教徒という国です。そのため男性はヒゲを蓄えていたり、女性は頭にヒジャーブというスカーフを巻き、露出を抑えている様子が伺えます。

タイなどは仏教国であるためあまりこういった文化は目立ちませんが、イスラム的な装いをしているアジア人の多くはインドネシア人と見て間違いありません。

実際、インドネシアからの訪日観光客の数の増加は数字にも現れています。調査によると2018年時点で年間の訪日インドネシア人の数は35万人を超えており、2013年には13万人程度であったことから、わずか4〜5年で倍以上の訪問者数になっている事がわかります。

消費額も558億円と大きく、こちらも2014年の190億円と比べると3倍近い数字になっています。訪問者数は倍になっただけですので、経済発展に伴い一人当たりの消費額が大きくなっているとも捉えられるでしょう。

中東地域からの観光客も期待

もはや日本でも馴染み深い存在となりつつあるインドネシア人ですが、訪日ムスリムとして注目しておきたいのがやはり中東からの観光客です。

特にドバイやサウジアラビア、UAEといった、オイルマネーを土台とする経済発展が著しい国との交流は深くなりつつあり、日本にも各国皇太子が訪れたり、日本からも観光でそういった地域に出かける人は増えてきているため、双方向的な関係性が高まってきています。

例えばドバイでは中東最大級の商談会である「アラブ・トラベル・マーケット2019」が先日行われましたが、中でも人気を博していたのが日本ブースでした。

参考:やまとごころ.jp「ドバイで『アラブ・トラベル・マーケット2019』。日本ブースに中東旅行会社が詰めかけ大盛況」

JNTOや日系企業らが参加したこちらのイベントですが、中東地域には親日家が多いというデータをしっかりと可視化させることに成功したものとなりました。

中東は日本から少し離れているということもあり、まだまだ東南アジアや中国の人ほど気軽に通えるという場所ではありませんが、今後直行便などが増えてくることになれば、こういったアラブ世界のイスラム教徒も増えてくることになるでしょう。

訪日ムスリムが日本に求めるもの

次に、日本を訪れたムスリムが日本でどのように過ごすのかや、何を求めて日本に興味を持っているかについて見ていきましょう。

インドネシア人の消費動向

インドネシア人の消費動向は、ムスリムだからといって他のアジア人観光客と大差はありません。

彼らに人気なのはドラッグストアで販売されている薬や食品、雑貨、あるいはユニクロのような日本で手に入る衣料品など、母国に帰っても使えるものや、あまり流通していないブランド品などを日本で買って帰る傾向にあります。

ムスリムだからといって、購買意欲や買うものに大きな差異があるわけではない点は覚えておくとよいでしょう。

中東における日本人気の高まり

もう1つ注目しておきたいのは中東における日本人気の高まりです。上述のように中東の経済発展が著しい地域は所得レベルが非常に高く、富裕層のレベルは時に欧米のそれをも凌ぐほどです。

しかしながら現地ではそういった富裕層の需要に応える商品やサービスがまだまだ発展途上で、彼らの期待に応えられるようなもてなしやクオリティを提供できる人や施設はまだまだ少ないものです。

そこで彼らは高所得者の扱いにもなれ、サービスや環境も一流が整っている日本を訪れ、観光もさることながら高いレベルのおもてなしを堪能したいというニーズも生まれつつあります。

この地域からの観光客はほぼ全員がイスラム教徒であるため、訪日ムスリム向けの施策は、富裕層に向けたおもてなしの一環としても機能していくことになるでしょう。

訪日ムスリム向けに用意しなければならないもの

次にイスラム教徒向けの施策ですが、最低限押さえておきたいポイントを見ておきましょう。

礼拝環境の整備

イスラム教徒向けのアクションプランについては、観光庁がまとめてくれているものが参考になります。

参考:観光庁「訪日ムスリム旅行者対応のためのアクション・プラン」

ここにも書かれていますが、まず大切なのは礼拝環境の整備です。イスラム教徒は1日5回の礼拝を基本としているため、公共施設や宿泊施設など、人が集まりやすい地域にはできる限り礼拝スペースを設けることが推奨されています。

最近では空港などで見かけることも増えてきましたが、まだまだ十分な数が普及しているとは言えないのが現状です。

食事環境の整備

次に食事環境の整備です。基本的にムスリムは豚肉とアルコールの摂取を控えているため、これらが含まれているかどうかの案内をしっかりと提示するようにしましょう。

成分表示を見ればわかることでも、日本語で書かれていると読むことは難しいものです。

また、表記が小さいために豚肉やアルコールが含まれているかを判断できず、手に取るのを控えてしまうということも起こりうるため、わかりやすい案内や、豚肉やアルコールを使わないメニューの提案もできるようになると良いでしょう。

逆に言えば、豚肉とアルコールさえ避けておけば、基本的にイスラム教徒とは言え、食事に関してはそこまで厳しい制約はありません。アレルギー対策ほど敏感になる必要もないため、気軽に実践しやすい施策の1つと言えます。

おわりに

日本でもイスラム教徒を見かけることは増えたものの、ムスリム向けの環境整備はまだまだ課題が残っていると言えます。

できるところからでも良いので、ガイドラインを参考にしながら、必要に応じてムスリム向けのアクションを起こしていくようにしましょう。

Globalizeを運営するグローバルデジタルマーケティングの株式会社LIFE PEPPERでは、海外向けのマーケティングを戦略設計から実行までお手伝いしています。訪日外国人の客足に伸び悩みを感じている・海外向けの販売をもっと伸ばしたいなどのご要望がございましたら、お気軽にご連絡ください。
LIFE PEPPERの厳選事例48選をダウンロード 会社紹介ダウンロード 無料相談へ