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【パックン】インバウンド集客の秘訣!

ラグビーワールドカップ2019、東京オリンピック2020が控える今、インバウンド集客や海外マーケティングの需要は更に高まっています。

「訪日ゲストを集客するためには何が大切なのか」、「日本がよりグローバル化するために必要なこと」を中心に芸人・東京工業大学非常勤講師・福井県の観光大使など多方面でご活躍されているパックンにインタビューを行いました。

パックンが福井県の観光大使になった経緯

まずは、パックンさんご自身の来歴を伺ってもよろしいでしょうか。

パックン:はい。僕は昔、特に日本に興味があったわけではないです。大学卒業を機に、進路を考えていたとき、日本語も勉強し、日本で就職すると決めていた幼馴染から「一緒に行く?」と、声をかけてもらったのが来日のきっかけです。その友達が福井に派遣されたことで僕も一緒に福井に行くことになりました。

いまや福井を僕の第二のふるさとと呼ばせてもらい、そこで出会った仲間は第二の家族で、そこで過ごした日々は第二の青春時代だと思っています。東京に住んで20年以上も経つんですけど、それでも地元が福井だと思っています。

こういった話をNHKの「スタジオパーク」でしていて、「大好きだからできれば福井の親善大使でもやりたい!」と言ったら、翌日に福井県から電話がかかってきました。最初は観光大使ではなく、ブランド大使という県のポジションに抜擢されて、すごく光栄だなと思いました。その後に福井市から観光大使のオファーもあり、今は県と市と、ダブルでやっています。 

福井県・福井市の魅力

パックンさんが思う「福井の魅力」とはどのようなところでしょうか。

パックン : 皆さんと一緒で、家族、親戚や若い頃一緒に過ごしたメンバーといるだけで落ち着くじゃないですか。僕にとっての福井はふるさとです。福井の仲間は心から僕の活躍を応援してくれていますし、テレビのパックンじゃなくて、少年時代のパトリック君を知っている人が福井にはいます。例えば、福井でパックンとはほとんど呼ばれないんです。友人はほとんどパトって呼んでくれる。昔からのあだ名で呼んでもらえるだけでも嬉しいですよ。

しかも福井って、かなりコンテンツが多いんですよ。食べ物は基本全部おいしいし、自然も綺麗だし、恐竜博物館や東尋坊、永平寺など、自然も文化も、様々な魅力があります。アウトドアのコンテンツも豊富!僕も昔は海に潜りに、川に泳ぎに、山にスキーをしに行ったり、仕事の後はテニスをやったりしていたし、今は子どもを福井の山に連れて昆虫類を探しに行ったりしています。東京より福井の生活に自然が関わっています

また、人と人との距離がすごく近いです。三世帯住宅が多いこともあって、福井では、みんな友達の両親や子供を知っているし、兄弟も知っているし、お互いの家によく行ったりします。血縁関係がないのに従兄弟のように親密な関係になり、何かあったら一緒に喜びあい、悲しみあい、支えあいます。

個人的に普通に福井の人間の温かみをもっと発信していけば、口コミで評判が広がると思うんですよ。ただ、福井の人はちょっとシャイなんですよ。でも1回打ち解けたら話がとまりませんし、初対面でもすごく温かいんですよ。なので、僕は福井の人がもっと他の日本人にも外国人に話しかけていけるように、背中を押してあげたいですね。

訪日ゲストは「日本人の優しさ」に魅力を感じている

訪日ゲストを集客していくために、どのようなことが必要だとお考えでしょうか。

パックン : 心と心のつながりという部分がとても大事だと思います。最近は、あちこち空き家を活かして、プチ住民体験みたいなことをさせる事業もあるらしいですね。田植えでもいいし、収穫の手伝いとか、そば打ちや和紙作りとかそういう体験をして、日本の田舎ライフを1、2日楽しむのはとても面白いと思います。

そんなに大したことである必要もなくて、一緒にお散歩をするとか、声をかけるとかでもいいと思うんです。例えば、喫茶店で腰を下ろしている外国人に話しかけて、どこ行きたいか、何に興味があるのかをヒアリングし、適当に提案をするだけでも充分おもてなしの手本になるかなと思うんです。

以前、僕は羽田空港で、自分の国に帰国する前の外国人に取材したことがあるのですが、何が良かったかを訊くと、おいしいものを食べたとか、文化遺産を見たとか、自然が綺麗だったという答えも多かったけど、日本人が優しかったというのはダントツ1番多かったですよ。日本人のおもてなしの精神や、心の温かさ。それを世界に知らせるだけで充分売りになるかなと思うんです。

あとは旅行客が訪れやすいようなインフラの整備ですね。現在の課題として、英語をはじめとした各言語で情報を手に入れるのが難しいと思われます。例えば、渋谷駅はかなり分かりづらい。出口や乗り換えの動線はまず見つかりません。あれは渋谷駅だからやっていけるだけで、渋谷じゃなければみんなに嫌われちゃうと思うんですよ。分かりやすい標識、案内、ガイドさん、話しかけやすい駅員さんなどが整えば、口コミで評判も広がるはずです。

根本的なところから施策を立てていくのも必要だと思っています。

日本を更にグローバル化するためにパックンさんが取り組まれていることはありますか?

まず日本の英語能力や発信力を上げていきたいと思っていて、その目的の講演会を開催しています。その講演会ではお客様同士の自己紹介で、世界に発信したいものをお互いに紹介させますが、それはすごく盛り上がるんです。日本は地域ごとにとても魅力的なコンテンツがたくさんあるので、地元の人の独占情報も出てきます。「青菜」という、山形ならではの野菜の話が出てきたり、山梨では富士山と五重塔が同時に見える場所の話になったり、毎回とても楽しいです。このように日本には田舎の良さが凝縮されている場所がたくさんあると思うので、そういうところをもっと発信していってほしいなと思います。 

また、世界の情報をもっと日本人が普通に見るように、日本のテレビやニュース・サイトのフィルタを外して、自分自身でありのままの世界を見に行って欲しいです。携帯でいいから海外のニュース・サイトを見たり、海外の動画サイトを見たりして、さらに日本の面白い所を皆さん自ら発信したりしていただきたいです。まずは日本語でもいいし、次は英語に対するアレルギーや完璧主義をなくして自分が持っている英語の武器を活かせば十分通じるのです。翻訳ソフトを使ってかまいません。とにかく、日本の面白さを世界に発信してください!

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