
PTT(批踢踢)とは、台湾で使われているインターネット掲示板です。形態としては日本で有名なインターネット掲示板「2ちゃんねる」に似ていると言えるでしょう。このPTT、実はインバウンド対策としても近年注目されています。台湾人は日本へ旅行する際、PTTで情報収集をすることも多いのだそう。ここではそんな、多くの台湾人に支持される台湾版2ちゃんねる「PTT」についてご紹介いたします。
Contents
PTTとは?
PTTとは台湾で使われているインターネット掲示板で、その登録者数はなんと150万人にのぼります。全世界的に使用されているYoutubeやInstagramと並ぶほど、台湾では最も利用者が多いインターネットコミュニティの1つとなっています。
ユーザーの年齢層でみると、インターネットに慣れている30代以下の若い世代が多く使用しています。男女比においては女性よりも男性のユーザーが多いとされており、PTTのFacebookページについたいいねの数は約6割が男性、4割が女性ということからも、男性ユーザーがやや上回っていることが考えられます。最近ではパソコンからだけではなく、携帯のアプリにもPTTが登場しインストールして閲覧することができるようになっています。
■参考
ウェブスタ 台湾生まれのSNS「PTT」ってなに?
PTTの特徴
そんな台湾人に人気のPTT。日本のインターネット掲示板2ちゃんねるに似ているという声も多いようですが実際のところはどうなのでしょうか?
PTTの特徴についていくつかみていきましょう。
台湾のインターネット掲示板
PTTの大きな特徴の1つとしてあげられるものが、自由な討論空間であるということ。これは一見どのSNSやサイトでも同様に自由であると思われがちですが、実は多くのウェブ上ではページが何かしらによってコントロールされていることが多いのです。例としては企業の広告や、そのユーザーの傾向に偏った情報の制限などがあげられます。ウェブサイトが利益を得るために、広告料などをもらって企業の介入を許すためです。
しかしPTTの場合は会社化されず、大部分の管理はPTTの誕生した台湾大学情報工学科の在学生や卒業生が管理を行っているため、社会の何物かにコントロールされることなく真の言論の自由が保たれているのです。PTTの開設者であるトゥ・イーチンさんも、「PTTは利益のためにあるのではない。誰にもコントロールされることなく言論の自由が守られることに価値がある」と述べています。
完全アカウント制
2つめの特徴は、完全アカウント制であること。日本の2ちゃんねるや多くのインターネット掲示板と異なる点でもあります。日本の2ちゃんねるでは必須の登録事項はなく、誰でもぺージを覗きコメントすることができます。
一方、PTTのページに入るためには、会員登録をして自分のアカウントを作成することが必須となります。また、掲示板のページによっては発言やコメントをするために一定数ログインしなければならないケースもあるのです。このような点から、何を書いても誰も自分のことをわからないだろうといった理由で暴言を書くなどしてページを荒らしにくる人がでてくることを防いでいます。完全アカウント制であることがPTTの秩序を守っているのです。
キーボードのみの操作
3つめの特徴は、キーボードのみの操作であるということ。マウスを使っての操作はできません。この特徴も日本の2ちゃんねるや多くのインターネットと異なる点になります。実はPTTの利用にはサイトではなく専用のソフトをダウンロードしなければならないのですが、キーボードのみの操作になっているのはそのためと言われています。
■参考
TAIWAN TODAY BBSサイトPTT開設者、PTTにはFBに負けぬ価値あり
https://jp.taiwantoday.tw/news.php?post=128432&unit=189,416&mofa_login=true
Proceedings of the Twenty-Fifth Conference on Computational Linguistics and Speech processing
Observing Features of PTT Neologisms A Corpus-driven Study with N gram Model https://www.aclweb.org/anthology/O13-1025.pdf
PTTを活用するには?
では一体このPTTはどのように台湾の人々の間で活用されているのでしょうか?また、日本にいる私達個人または企業としてどのようにPTTを有効活用していけるでしょうか?
訪日する際の情報収集源
PTTはインターネット掲示板であり、日本の2ちゃんねるのサイトと同じようにトピックごとに多様なページが用意されています。ページの総数はなんと2万ページ以上。例えば美容や流行しているもの、学術関係、時には求人などの非常に様々なトピックがあり、台湾の人々の有益な情報収集の場になっているのです。PTTを覗けば、今どのようなことが台湾で話題になっているかなど最新の情報を知ることができるでしょう。
また企業にとっては台湾の市場調査をする際、PTTは有効なツールとなり得るのではないでしょうか。特にPTTでは日本の観光情報についてのページも人気があり、多くの台湾人は訪日する前にPTTで情報を調べてから来ることが多いそうです。外国人をもっと呼び込みたいと考えている施設や地域は、どのような日本のスポットが台湾人にウケているかなど、このページを見ることで参考になる情報を得ることができるでしょう。
登録方法
台湾で非常に人気となっているPTT、「早速覗いてみたい!」という方もいるかもしれませんが、PTTのページはすぐに入れるわけではありません。上記で解説したように、PTTは単なるウェブサイトではないため、専用のソフトをダウンロードして登録を行うなど、いくつかのステップを踏まなければならないのです。ここでは最後に、PTTの登録方法について簡単に解説します。
①専用のソフトをダウンロードする。
PTTはウェブサイトとは異なり、通常のブラウザのまま見ることができません。
そのためまずは専用のソフトをダウンロードする必要があります。
使用できるソフトは2つあり、1つはKKMANというウェブブラウザです。こちらはPTT閲覧専用のために作られた特殊なものとなっています。全て中国語での説明になっているので、中国語が理解できないと難しいかもしれません。インストールするとPTTのログイン画面に入ることができます。
もう1つのソフトはFirefoxというウェブブラウザです。こちらは世界で最も使用されているウェブブラウザの1つで、中国語以外の言語でも説明があるのでKKMANより容易に手順を追って設定できます。Firefoxをダウンロードしたら、PTTのURLである「talet://ptt.cc」にとぶとログイン画面にたどり着きます。
②IDとパスワードを登録する
ログイン画面の下の部分にnewという文字がありますので、そちらをクイックしIDとパスワードを登録します。毎回ログインには必ずこのIDとパスワードが必要になるため、忘れないようなものがいいでしょう。またIDはページでコメントする際に表示されます。
■参考
LOGIX 台湾の2ちゃんねる、PTT(批踢踢)を登録して覗いてみよう
まとめ
いかがでしたでしょうか?インターネット掲示板であるPTTは、台湾で多くのユーザーに支持されており、かなり影響力をもった媒体になっていることがわかります。
企業が参入せず学生が中心に運営していることや、匿名制が制限されていることによって、自由な討論が守られつつ秩序が保たれているのです。ユーザーが安心して使うことができるという点で多くの支持を得ているのかもしれません。台湾人の情報収集の場でもあるPTTを覗くことによって、台湾人の趣向や流行しているものを把握し、インバウンド対策に活かすこともできるでしょう。
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