
世界から集めている中国の都市があります。その都市こそ「深圳(深セン)」です。無人コンビニ、無人バス、QRコード決済、シェアサイクル。未来都市のような光景が中国の深圳には広がっています。深圳の今を見ることで、今後の日本が進むべき方向性を考えるきっかけにもなるでしょう。この記事で深圳についての理解を深めましょう。
Contents
世界最先端の都市「深セン」とは
「中国のテクノロジー環境を知るために視察ツアーに参加した」「テクノロジーが進歩している中国の環境に追いつくために研修を中国で行った」というような方が増えています。
従来の世界最先端技術の視察と言えば、アメリカやシンガポールでしたが、近頃はアメリカに引けを取らないほど、中国の深圳(深セン)で世界最先端の技術が誕生しているのです。
どのような技術が誕生しているかを知る前に、まずは、深圳がどのような都市なのかをご説明します。
概要
中国の深圳(深セン)は、香港の北隣にあります。現在の人口は、1,400万人を超えており東京以上に都会です。香港から地下鉄で深圳に行くことができます。また、中国の新幹線の高鉄(ガオティエ)に乗車をすると約30分で巨大都市の広州に移動することが可能です。
このように、深圳が好アクセスな立地場所にあることや、経済特区に指定されたことから、中国国内の労働者が多く集まっています。その労働者数は約6,000万人にも昇ります。
多くのテック企業があるため、日本ではサービスが開始されていない無人店舗や顔認証決済など。新テクノロジーが体感できる世界最先端の街として観光を楽しむことができます。実際に「深圳のIoT・AIのテック視察ツアー」も定期的に開催されており、毎月予約が埋まるほど人気を集めているのです。
世界最先端の都市
深圳(深セン)は別名「中国のシリコンバレー」とも呼ばれています。ドローンやIoT、AIの製品が多く生み出されており、2017年度には日本の国際特許申請数を追い抜き、テクノロジーの聖地として注目を集めています。
実際に、スマートフォンやタブレット開発や販売で注目を集めている「ファーウェイ」や、早い段階でQRコード決済サービスを展開した「テンセント」も深圳を拠点にしている企業です。
中国のシリコンバレー「深セン」
深圳(深セン)は、別名「中国のシリコンバレー」と呼ばれているとお伝えしましたが、さまざまなテクノロジーが誕生しています。ここでは、どのようなモノ・サービスが開発されているのかをご紹介します。
キャッシュレス決済
深圳(深セン)には、QRコード決済で有名なWe Chat Payのサービスを展開しているテンセントの拠点があります。そのため、多くの方がQRコード決済(キャッシュレス決済)で買い物を楽しんでいる都市です。
また、深圳では「スマートレストラン」の実験が開始されています。このスマートレストランは無人レジが用意されており、料理をレジ台に乗せると自動会計に進みます。その後、付属のカメラで顔認証をすれば、WeChatの登録情報と紐づけられ、自動的に会計処理を行ってもらえるという仕組みです。
2019年時点では、スマートレストランは実験段階中ですが、顔認証が普及すれば、財布やスマホも会計時には不要となるでしょう。
無人化サービス
深圳(深セン)では、あらゆるサービスの無人化が進んでいます。
アメリカの「Amazon Go」と同様の無人コンビニ「Well Go」も登場しています。Well Goでは入店時にQRコードをかざして扉を解錠するなど防犯対策にも積極的に取り組んでいます。また、高級スーパーマーケットや書店、パーソナルジムでも、無人化が始まっているのです。
また、無人ロボットホテルも登場しています。ただ、会計が自動処理されるだけではなく、チェックインの確認が取れたら、ロボットが部屋まで案内してくれたり、食事を運んでくれます。ときには話し相手にもなってくれるのです。
アパレル店では、顔認証を活用したデジタルコーディネートのサービスも始まっています。設置されているカメラで全身を撮影すれば、自分に見合うコーディネートを案内してくれるというサービスです。
このような店舗運営の無人化だけではなく、深圳では、バスやタクシーなどの無人運転も実験で始まっています。驚くことに、深圳ではウイライドが開発中の自動運転車が公道を走っています。
シェアビジネス
中国ではシェアリングと呼ばれるサービスが生活の中の必需品レベルと思えるほどに普及しています。シェアサイクルで有名なmobikeや、シェア傘のofoなどのシェアビジネスが急速に拡大しているのです。
自転車や傘を必要なときに利用できるシェアビジネスは人気を集めており、他の企業の新規参入も始まっています。
まだまだある深センのIT技術
キャッシュレス決済や無人化サービス、シェアビジネスなどの他にも、まだまだ画期的なIT技術が深圳で開発されています。
とくに、注目を集めているのが、ファーウェイと共同研究を進めているドローン開発企業の「イーハン」は大きな話題を度々集めています。イーハンが目指しているのは、ドローンを活用した宅配サービスです。空便を利用すれば、道路の渋滞の心配もなく宅配便を届けることができます。
このような宅配サービスだけではなく、一人乗りの有人ドローンも開発されているのです。
スマートシティも誕生する予定
2018年に開催された中国智慧城市国際博覧会では、明確にスマートシティ建設を目指すことが公言されました。スマートシティの建設には、P(ピンアン)A(アリババ)T(テンセント)H(ファーウェイ)と呼ばれる優秀な中国企業のノウハウが投入される予定です。
このスマートシティは、行政の効率化、高齢化社会への対処、不動産価格の維持などの狙いがあるため、世界各国からスマートシティ建設の動向が注目されています。そのスマートシティの舞台にも深圳が挙げられているのです。
まとめ
中国は紙幣の偽造問題などが相次いでいたため、QRコード決済やキャッシュレス決済の必要性が顕著となり、他の国と比較して異例のスピードで普及しました。それに伴い、さまざまな最先端テクノロジーが誕生する国へと進化してきており、今ではアメリカに引けを取らないまでに高度な技術が中国の深圳(深セン)から誕生しています。
中国の文化や国民性の影響もあり、中国の技術開発のスピードは驚異的。現在ではアメリカも恐れるほどまでにもなっています。深圳に行けば、無人店舗や無人運転、ドローンを活用した配送サービスやシェアビジネスなど、日本で誕生していないサービスを体感することができるでしょう。
そのため、最先端のIT技術を学びたいという方などから、深圳視察ツアーは人気を集めています。また、スマートシティ建設も開始されると発表されたため、今後も深圳から目が離すことができないでしょう。ぜひ、深圳に興味を持った方は、視察に行ってみてください。
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