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スポーツツーリズムとは?推進されている理由と実際の市場規模

国土交通省の観光庁もスポーツツーリズムを推進していますが、どのような影響を日本の経済に及ぼすのでしょうか?そもそもスポーツツーリズムとは何なのか、そしてどのような種類があるのかを解説していきます。

スポーツツーリズムとは何か

スポーツツーリズムの種類(みるスポーツ、するスポーツ、支えるスポーツ)

スポーツツーリズムとは、スポーツを見に行くための旅行や観光、スポーツを支える人たちとの交流など、スポーツに関係する様々な旅行のことを指します。スポーツツーリズムの特徴は、国によって、人気のスポーツが異なることや、スキーやラフティングのような特定の国での季節限定のスポーツを目的とするところでしょう。そのため、「現地へ行って、実際に体感したい」と、スポーツで行き先を決めるという観光客が増えています。

スポーツツーリズムは、主に観戦や応援をする「みるスポーツ」、大会への参加や、アクティビティの体験など「するスポーツ」、ボランティアやマネジメントによる「支えるスポーツ」の3軸により、スポーツ資源と観光の融合、そして世界的な広がりが期待されています。

「みるスポーツ」、「するスポーツ」はスポーツの種類に区分けするとわかりやすいです。

・「みるスポーツ」:プロ野球、Jリーグ、ラグビー、プロゴルフ、総合格闘技など。

・「するスポーツ」:ウォーキング、サイクリング、マラソン、登山、トライアスロン、スキー、スノーボード、ゴルフなど。

日本でも、2020年の東京オリンピックを控え、国内外のスポーツツーリズムへの関心が非常に高まっており、今まさに注目すべき産業です。

また、スポーツツーリズムの市場規模からみても、その期待値を伺うことが出来ます。

英国の調査会社Technavioが発表したレポート「Global Sports Tourism Market: Key Drivers and Figures」(2017年8月のもの)によると、2016年は世界トータルで1兆4100億米ドルの規模でした。これは、日本の2019年度予算の約1.5倍に相当する規模です。 

巨大な市場規模の他にも、その成長力はめざましく、Technavioによると2021年の市場規模は5兆7200億米ドルと予測されています。その数字は5年間で約4倍という超成長市場として考えられているのです。

スポーツツーリズムを推進している理由

スポーツツーリズムを使ったインバウンド

スポーツは、競技への参加や、観戦、運営、地域住民とともに一体感を生み出します。その空間を共有することにより、通常の観光よりもいっそう深い感動を味わうことができます。

また、そうした感動は、「また体験したい」というリピーターのニーズに繋がります。

つまり、定期的にスポーツ大会やアクティビティイベントを開催することは、インバウンドのチャンスを拡大することに繋がるのです。

訪日旅行者と国内旅行者の両方を呼び込む

スポーツツーリズムは日本への訪日旅行客の増加と国内の旅行客の増加の2つに影響する分野です。うまく、旅行客の心をつかめば、一気に両方からの集客を期待することも可能です。そのためには、スキー、スノーボードなどのウィンタースポーツや、登山などの地形を生かしたスポーツ、また、相撲やソフトテニスなど日本の文化を活かしたスポーツによる、日本ならではの特色を生かすことがポイントとなるでしょう。

日本の文化や地域性を活かすことで、独自の感動体験、文化体験を生み出すことができます。

いろいろな種類の観光資源の顕在化

スポーツツーリズムが注目されるのは、スポーツだけに留まらないことにあり、周りに作用する影響力にあります。

例えば、観光客が増えることで、ホテルなどの宿泊施設の利用、タクシーやバスなどの移動サービスの利用、観光地でのショッピング、食事などの消費行動につながります。もちろん観光地の滞在時間に比例し、上記の行動が増えるので、スポーツを通し、観光の魅力を増幅することで、長期滞在や旅行頻度を増やすことに繋がります。

また、スポーツのために訪れた観光地での食事や、ショッピングは、スポーツ以外の魅力を伝える機会にもなり、2次的な拡大に広がる可能性も秘めているのです。

新たな観光地作り

スポーツツーリズムは、新たな観光地作りとしても有効です。地域性を活かした地方創生も注目されています。

例えば、「市民マラソン」です。2007年に東京マラソンが開催されて以降、圧倒的にマラソン人口が増加しました。現在も日本全国では、フルマラソン、ハーフマラソン併せて、300ものマラソンが開催されています。さらに10キロや5キロという、女性や子供向けに開かれる距離の短いものも合わせれば相当数になります。

また、自然豊かな日本ならではの地域性を活かすことで、観光地ごとに差別化を行うこともできます。

スポーツをきっかけに、国内の他の観光地への関心を高める

画像参考:黒部名水マラソン公式サイト 第35回大会写真集より引用http://www.kurobe-taikyo.jp/road/results/35th/phot.html

毎年、富山県黒部市で行われる「黒部名水マラソン」は、山や川、海など自然の中にある町を駆け抜けるマラソンで、のどかな自然の空気と景色を楽しむことができます。また、レース終了後には、「名水ポーク」や「ズワイガニの鍋」「ますの寿司」などご当地の食べ物を味わうことができ、多くの観光客に愛されています。高橋尚子さんなど、元オリンピック選手が招待されるなど豪華な顔ぶれが並ぶことも一つの魅力になっています。

このようにマラソンだけでなく、トレッキングや、サイクリング、トライアスロンなど地域性を活かしたスポーツが日本には豊富なため、各地の特色を生かすことで、新たな観光地の魅力を創り出すことも可能なのです。

スポーツツーリズムを使ったインバウンドの成功例

北海道のニセコ

画像参考:ニセコリゾート観光協会ページ内から引用http://www.niseko-ta.jp/index.php?id=398

スポーツツーリズムの成功例として「北海道のニセコ」は有名な事例です。

北海道のニセコは、スキーやスノーボードなどウィンタースポーツが有名な地域で、もともと香港・台湾など東アジアを中心に観光客を集めていました。

1990年代に、ロス・フィンドレー氏(オーストラリア人)がニセコの雪に魅了されて移住し、NAC(ニセコアドベンチャーセンター)を設立。冬だけでなく、夏にも楽しめるラフティングを普及させ、ニセコを1年中遊べる地域にしました。

また、ニセコリゾート観光協会という町役場の一組織から株式会社になった企業があり、インバウンドの施策に力をいれています。現在では、公式サイトも運営しており、日本語・英語のほかに、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語、ロシア語など10ヶ国語に対応しています。

「ニセコリゾート観光協」公式サイト:http://www.niseko-ta.jp/

多言語対応のサイトは、訪日外国人にとっても利用しやすく、インバウンドの拡大に活躍しています。

タイ人サッカー選手のサンフレッチェ広島」への入団

2018年、広島のJリーグサッカーチームである「サンフレッチェ広島」では、タイ人のサッカー選手ティーラシン選手がJリーグ加入したことで、タイに広島ブームが起こりました。(移籍期間は、2018年2月1日~2018年12月31日)

ティーラシン選手はタイではもともと「国民的英雄」と言われるほどの国民的スターであり、その選手が加入したことによりタイでの広島の認知度が爆発的に広まったのです。ティーラシン選手の加入後、タイでは、「hiroshima」というキーワードがよく検索されました。

画像参考:Instagram 

博報堂が発表したグローバル生活者調査レポート(2012年)によると、「どのようなスポーツを観たりするのが好きですか。」という質問に対し、バンコク在住のタイ人のうち、56.1%がサッカーと答えました。他のスポーツと比べても断トツの差で1位であり、サッカーがタイでは国民的人気スポーツであったことも「広島」認知に起因していたと言えるでしょう。

また、2018年に発表されたFIFAランキングでは日本のJリーグは55位、タイのプロリーグは129位でした。このことからも、技術面、施設面、選手層からもタイ人にとって日本のプロリーグはレベルが高かったため、新聞やテレビでは大きく報じられました。

まとめ

・スポーツツーリズムは、訪日旅行客、国内の旅行客両方にアプローチを仕掛けることができる。

・スポーツを通じて、日本の文化、地域性を活かすことで、新たな観光地を創り出し、さらにスポーツ内外の観光資源を拡大することにつながる。

■参考

・インバウンドNOW スポーツツーリズムでインバウンドの呼び込み!地方都市の成功事例と課題

https://inboundnow.jp/media/case/681/

・黒部名水マラソン

http://www.kurobe-taikyo.jp/road/top2.html

・ニセコリゾート観光協会

http://www.niseko-ta.jp/

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