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中国の最新EC「拼多多」はどんなサービス?

中国で現在急成長の兆しを見せているのが、「拼多多(Pinduoduo)」と呼ばれるEコマースです。淘宝(タオバオ)やJDに迫る勢いで成長を遂げる拼多多は、テンセントグループに参加する地方の低所得者をターゲットにしたECサービスを展開しています。

今回はそんな拼多多が展開する独自のECの概要や、なぜ人気を集めているのかについてご紹介していきます。

世界最大級の規模を有する中国EC

中国は今や世界最大のEC市場を抱える国となっており、国内だけでもその取引額はトップクラスとなっています。

オンラインショッピングが小売の主流に

あるデータによれば、中国のEC利用者の人口はすでに5億人近い数に達していると推計されており、この数字は2020年には6億人に達すると言われています。

出典:ネットショップ担当者フォーラム「EC市場は2020年に約190兆円、EC化率は25%まで拡大する【中国EC市場の予測】」
https://netshop.impress.co.jp/node/4097

EC利用者の数だけで、日本人口の6倍近い数を有している中国。その市場規模は金額にもの実に現れています。中国ECの市場規模は、2018年時点で120兆円近い数字となっており、2022年には200兆円を超える額が取引されると試算されています。

加えて、中国にはまだまだ地方を中心にEC利用にいたっていない層も存在します。彼らが今後EC消費にシフトしていけば、その市場規模はますます拡大していくでしょう。

出典:Forbes「市場規模200兆円に向かう、中国EC分野の驚異的ポテンシャル」
https://forbesjapan.com/articles/detail/24422

越境ECも盛ん

国内だけでなく、中国ECは海外との取引も盛んです。いわゆる越境ECの取り組みですが、中国は海外からの輸入だけで7兆円規模の取引を行っており、特に需要の大きい日米への輸出額は、合計で約3兆円にも登ります。

出典:西日本シティ銀行「変化を遂げる中国越境EC市場への参入について」
https://www.ncbank.co.jp/hojin/asia_information/chuzaiin_news/pdf_files/shanghai_201907.pdf

もともと工業製品などの輸出が盛んな中国ですが、現在はアメリカとの貿易戦争が過熱化しているため、こちらは若干の落ち込みが予想されています。

しかしBtoCレベルでの取引は依然として需要を伸ばし続けており、中国国内の越境EC向けサービスが拡充を進めてきたことで、今後も取引額を伸ばしていくことが推測されます。

拼多多(Pinduoduo)の概要

そのような内需・外需の高まりとともに登場したのが、拼多多と呼ばれる新興ECサービスです。

拼多多は2015年に誕生したばかりのECサイトですが、テンセントをはじめとする大企業から100億円を超える出資を受け、サービスを急速に拡大。今や2億人を超えるユーザー数を誇る、中国を代表する企業となっています。

WeChatを通じた共同購入が可能

拼多多の特徴は、何と言っても商品の共同購入が可能な点にあるでしょう。
共同購入というのは、拼多多を利用するユーザー同士で同じ商品を購入し、まとめ買いによる割引を受けられる仕組みです。

いわゆる箱買いに見られるように、どこの小売店でも同じ商品なら一度に購入した方が一つあたりの商品の価格は安くなります。拼多多では、これはオンラインで可能にしている点が大きなポイントとなっています。

拼多多のユーザーは、同じテンセント系列のSNSであるWeChatを通じて、共同購入を募ることができます。

共同購入の相手をSNSから見つけるだけで、ユーザーは破格の値段で商品を購入することができますが、これは拼多多にとってもメリットの大きな販売方法です。

拼多多は共同購入によって商品をまとめ買いさせることで、大量の在庫を一度にはけてしまうことができます。これによって高い回転率で、大量の在庫をさばいていくことが可能になります。

SNSをうまく活用したプロモーション

また、ユーザーの手でSNSに商品をシェアしてもらうことで、拼多多の存在や商品のプロモーションが自動的に行われます。

共同購入者が多く現れるほど安く購入できるため、ユーザーはよりプロモーションに力を入れますし、拼多多にとってはそれだけ販売促進にもつながります。

まさにECとSNSが相互に機能し、売り手と買い手がWin-Winの関係性を築けられる、非常に優れたECマーケティングの好例と言えるでしょう。

拼多多が人気の理由

SNSを使って売り上げを急成長させて至った点は、拼多多の戦略が功を奏した結果と言えます。
しかし彼らが業績を伸ばせたのは、競合他社が手付かずだったターゲットの心を捕らえたことも要因として大きいと言えます。

地方都市のEC需要に目を付ける

拼多多が目をつけていたのは、経済成長が著しい中心地の富裕層ではなく、地方都市の低所得者です。
中国は国土が広いだけでなく、国民もまた各地方に分散していることが特徴です。

彼らは都市部の人間ほど所得が高くなく、オンライン環境も充実していないのですが、拼多多はこの点に目をつけ、彼らに向けて驚くべき低価格での流通を実現しました。

ECサイトのように、IT関連のサービスは元々都市部や富裕層の人間をターゲットに展開することがセオリーとされてきたため、アリババなどの先駆者たちは地方の低所得者に対してのサービス提供にはあまり力を入れていませんでした。

拼多多はそのニッチな需要に応えるべく誕生したサービスで、工場から直送の販売ルートを確立し、驚くべき値段で地方に向けたECサービスの展開に成功したというわけです。

拼多多はいわゆる薄利多売によって収益を目指す企業ですが、このトレンドが終わりを迎えつつある中、やはり当初は収益化にも苦戦したようです。

出典:Forbes「日本人が知らない中国Eコマース新勢力「拼多多」の戦略」
https://forbesjapan.com/articles/detail/20559

ただ、経済格差の大きい中国では、地方を中心に安物を求めるニーズはまだまだ根強いものがあります。彼らの需要を一手に引き受けることで、今や拼多多は中国最大級のECサイトとなりました。

越境ECに力を入れる拼多多国際(Pinduoduo International)

ただ、薄利多売の商売をいつまでも続けていては、いずれ所得格差がなくなり、安物の需要が減退した中国においては拼多多の居場所もなくなってしまいます。

そこで拼多多は、独自のラグジュアリー路線となる拼多多国際を発表し、正式なサービス開始に向けての取り組みが始まっています。

出典:The Bridge「中国のソーシャルeコマース大手Pinduoduo(拼多多)、富裕層を狙った越境eコマースプラットフォームをローンチ」

https://thebridge.jp/2019/03/pinduoduo-launched-cross-border-commerce

拼多多国際は、いわゆる富裕層向けの越境ECプラットフォームとなっています。このプラットフォームには拼多多国際が認めた事業者のみが出店することができ、高品質な正規品のみを取り扱う予定です。
公式サイト:https://ims.pinduoduo.com/overSea

質が高くなっていると言われる中国製品ですが、まだまだ粗悪品やフェイクブランドなど、実態がつかめない製品も多く市場に出回っています。そのような商品を排除し、少しくらい高くとも質の高い商品を求めるニーズに応えるのが、拼多多国際というわけです。

前述のように、中国から海外へ輸出する、越境ECの需要も高まりを見せています。中国国内のラグジュアリー需要はすでに他のECサイトがそのニーズを埋めていますが、拼多多国際はまだまだ発展途上にある、海外の顧客ニーズを視野に入れたサービスとなっています。

一度大きな成果を上げた販売路線にとらわれることなく、常に時代の先にあるニーズに向けて柔軟に対応する拼多多は、これからも様々なサービスを展開していくことが考えられます。

おわりに

世界の消費者向けECはAmazon一強とささやかれる中、世界最大級の市場を抱える中国では独自かつ多様なECサービスの競争が行われています。
拼多多のように中国で急成長を遂げているサービスを常に追いかけてみることで、日本においてもAmazonや楽天が抑えきれていない、ニッチなEC需要を満たすきっかけを見いだすことができるかもしれません。

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