「神薬」とは?中国で人気の日本の医薬品!

2017年の秋、日本で販売されている12個の医薬品が中国のSNSで日本を訪れた際に必ず買って帰るべき一般医薬品」として紹介されました。
ドラッグストアで気軽に購入でき、かつ効果の高い日本の医薬品は「神薬」と評され、今や日本の医薬品業界において中国は巨大なマーケットとなっています。
この記事では神薬にはどんな薬が選ばれているのか、なぜ神薬と言われるほど中国で支持されているのかについて解説していきます!

神薬とは?

病に対する特効薬という意味を持つ「神薬」ですが、今中国でもてはやされているのは日本のドラッグストアならどこでも買えるような、ポピュラーな医薬品の数々です。

神薬に選ばれた12個の薬

中国のポータルサイト、「捜狐(SOHU)」の記事「日本に行ったら買わねばならない12の医薬品」の中では、神薬として12の医薬品が紹介されました。
■参考
livedoor*NEWS 中国が報じた日本に行ったら絶対に買うべき12の「神薬」
http://news.livedoor.com/article/detail/9379825/
・目薬:参天製薬の「サンテボーティエ」
参天製薬のサンテボーティエは、香水のようなバラの香りとボトルデザインで高級感を演出し、女性観光客のハートを掴みました。疲れ目や充血の改善といった目薬本来の機能も評価され、複数本購入されることも珍しくありません。
・消炎鎮痛剤:小林製薬の「アンメルツヨコヨコ」
日本人にはおなじみのアンメルツヨコヨコですが、その塗りやすいデザインと肩こり・腰痛への効能から中国でも重宝されています。
・液体絆創膏:小林製薬の「サカムケア」
外からの雑菌の侵入を防ぎ、傷の治りを早めてくれるサカムケアですが、消毒作用とともに傷口に水が濡れても問題ないのが評価されています。絆創膏を使う人はアクティブに活動する人が多いだけあり、防水性を備えているのは嬉しいメリットとなります。
・冷却材:小林製薬の「熱さまシート」
急な発熱にも対応できる熱さまシートは、子供から大人まで使えるポピュラーな製品として、高い人気を誇ります。
・頭痛薬:エスエス製薬の「イブクイック頭痛薬」
イブクイック頭痛薬は頭痛の緩和だけでなく解熱効果も期待でき、即効性も高い上に胃にも優しいということで人気の医薬品です。
・消炎鎮痛剤:久光製薬の「サロンパス」
日本で最もポピュラーであるということもブランドになるようで、日本で有名という理由だけで評価を集めています。
・角質軟化剤:小林製薬の「ニノキュア」
二の腕の肌の荒れやブツブツを治す薬は、日本の製品の効きが良いようです。
・L―システイン製剤:エスエス製薬の「ハイチオールC」
こちらも肌のシミ・ソバカスに効果ありということで、その薬効の高さが評価につながっています。
・便秘薬:皇漢堂製薬の「ビューラックA」
便秘の悩みは世界共通ですが、やはり日本の便秘薬のブランドには強い魅力があるようです。
・口内炎薬:大正製薬の「口内炎パッチ大正A」
塗るのではなく口内に貼り付けて使うタイプの薬です。無味で舌炎にも効くということで人気の商品となっています。
・女性保険薬:小林製薬の「命の母A」
更年期障害に効果的というこちらの商品ですが、中国でも積極的に活用されているとのことです。
・喉の薬:龍角散
水なしでも服用できる喉の特効薬。その効き目は中国でもお墨付きのようです。
これら12の製品を筆頭に、日本の薬は今中国で大きく支持されています。

なぜ神薬と言われるほど中国で人気が出たのか


このような日本の医薬品ブームが中国で起きた背景としては、いくつかの理由が考えられています。

中国人はそもそも病院に行きたがらない

まず1つ目の理由として、中国人はあまり病院に行きたがらないというものがあります。中国の一般的な病院では日本ほど公平に診療を受けられるケースが一般的に開かれておらず、たとえ診察を受けてもあまり為にならないということも少なくないためです。
■参考
中国マーケティングラボ 極力病院に行きたくない中国人
頼みは日本の「神薬」【中国マーケット点描】
https://monipla.com/china-smmlab/page/japanesemedicine
中国で医者にかかろうとした場合、病院で受付料を支払い、診察を希望する医師を選んでから長い間待たされ、検査を受けて再び診察を待つというプロセスを踏まなければいけません。
日本では各地に診療所が開設され、誰でも比較的気軽に医師の診療を受けることができますが、中国ではその人口の多さやシステムの整備が行き届いていないが故に満足な医療サービスが受けられません。
その為、中国人は医者にかかることなく、多少の体調不良であれば自分でなんとかするというのが常習化しています。病院への不信感から病気予防への意識も中国人は高く、少しでも効果の高い薬でさっさと治してしまおうという意識も高いのです。

日本の医薬品への信頼性の高さ

中国では医薬品が不足しているわけではありません。いくら病院嫌いであるとはいえ、病院で診察を受ければ薬を処方してもらうことはできますし、薬局で各症状に合わせた薬を購入することもできます。
しかし中国の医薬品は効能への疑いや、薬の副作用への不信感を拭いきれないケースも多く、現地の中国人でさえ警戒しているほどです。
一般的に購入できるものであればなおさらで、どうせ購入するのならということで、日本ブランドの医薬品を求める中国人は後をたたないのです。

パッケージの分かりやすさ

日本の製品はパッケージのオリジナリティが高く、ブランド認知が浸透しやすいというのも需要を喚起する理由の1つでしょう。

https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/products/otc/beauteye/product/
記事上部 PRODUCT製品紹介 参考
効果が一目でわかるアンメルツヨコヨコのパッケージデザインや、サンテボーティエの香水のようなボトルデザインなど、独自性の高い商品はたとえ商品名を忘れられてしまっても、「日本で売っているあの香水みたいな目薬」という印象さえ残すことができれば、リピーターの獲得にもつながるためです。

小林製薬の中国市場戦略

上記の12の神薬リストで5つの商品がリストアップされている小林製薬ですが、同社が考えているのは新市場やニッチ市場でのシェア獲得です。
ドリンク剤や胃腸薬、風邪薬などでは中堅どころとなる小林製薬ですが、熱さまシートのような冷却材の分野となると、そのシェアは50%を超えており、命の母や洗眼薬のアイボンも過半数を占める強さを誇ります。
こういった分野の市場規模は決して大きくはないのですが、確実にシェアを不動のものとしていくことで安定した収益化を図るのが小林政略の戦略です。中国市場は日本と比べて人口の母数が10倍近いものになっている為、ニッチ市場といえども侮れないマーケットになっています。
その為、小林製薬は自社のブランド力を生かし、ますます中国進出を強めていっているのです。
■参考
産経WEST 中国人が爆買いする「神薬12」 日本人が知らなかった小林製薬のスゴイ実力
https://www.sankei.com/west/news/150730/wst1507300003-n1.html

小林製薬は中国で医薬品の製造販売を始める

小林製薬はインバウンド需要に応えるだけでなく、2020年より現地で製造販売を行う計画を発表しています。
2018年には中国の医薬品メーカー「江蘇中丹製薬」を買収しており、現地のメーカーを通じて販売することで、中国当局からの申請許可の時間短縮を図るというのが目的です。
特に「アンメルツ」は医薬品指定となる為、現地での販売は難しいということもあったのですが、現地で製造販売が可能となったことで、帰国後消費も見込めるようになるということです。
■参考
日本経済新聞 「神薬」ブームの次の一手 小林製薬、現地販売で中国深掘り
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40745420R30C19A1LKA000/

まとめ

上記のように日本製の薬は中国で評価が高く、日本のドラッグストアには多くの中国人が詰め掛けています。日本での消費だけでなく、中国現地で直接消費者に販売ができるよう、日本の製薬会社は爆買いブーム以降、現地販売に向けてその動きを活発にしています。
小林製薬はそれに先立って、今後は現地での製造販売で帰国後のリピート需要を掘り起こすようです。

Spread the love