MICEとは?海外で積極展開している今注目の観光政策

インターネットと流通テクノロジーが向上したことにより、モノや情報の移動は今や高速かつグローバルであることが当たり前の時代となりました。

およそ半世紀ほど遡るだけでも、今日の状況がどれだけインターナショナルでスピーディなものになっているかがわかりますが、移動がスピーディになったのは必ずしもモノと情報だけとは限りません。

近頃はインバウンドといった言葉にも注目が集まるようになったように、人の移動も大規模かつ高速に行われるようになりました。

自国にいながらモノやデータを素早くやりとりできるようになったのは良いのですが、それでも自分の目や五感で目当てのものに触れてみる経験は重要で、航空技術の進歩や後進国における経済発展は、訪日客の急激な増加をももたらしています。

そんな現象と合わせて紹介され、かつ国を挙げて注目されているのが、MICE(マイス)と呼ばれる考え方です。今回はMICEとは何なのか、そしてなぜ注目されているのかについてご紹介していきます。

MICEとは?

MICEはMeeting(会議)、Incentive(招待旅行)、Conference(国際会議)またはConvention、Exhibition(展示会)またはEvent(イベント)といった単語の頭文字をとった用語で、これらの催し物における観光や旅行の側面にフォーカスを置いた言い方です。

業種や分野を問わず、世界では各地で何らかの国際的なイベントが毎日のように行われており、高い外国人の集客が見込まれます。

そして通常の観光客とは違い、ここで行われる集客はビジネスやアカデミックな分野を目的としているため、観光客とは異なるアプローチが必要となります。MICEにおける集客効果の活用方法は、こういった点で通常のインバウンドとは違った注目されているのです。

国を挙げての推進が進む

日本においても国際会議の開催回数は徐々に増加しています。ICCA(国際会議協会)の発表によると、2018年は開催回数が492件という、計測を始めて以来の過去最高記録を更新しました。

MICEに付随する様々なメリットは魅力的ですが、何よりもまずMICEが国内で催されなければ、そういったメリットは享受できません。国際会議をわざわざ日本で行うためには国が積極的に海外へ働きかけていく必要があり、東京オリンピックの開催に合わせて、今後もその開催記録を更新していくことが予想されます。

引用元:ICCA releases largest ever statistics report for 2018

https://www.iccaworld.org/npps/story.cfm?nppage=935584

ちなみに世界でMICEが最も開催されているのはアメリカで、その開催件数は947件と、日本の倍近い数字となっています。次点でドイツやフランスなどの西洋諸国が並び、日本は7位という位置付けになっています。

日本はヨーロッパから遠く離れた立地となってしまうため、誘致には苦労を要しますが、今後どれだけ伸びていくかに期待が持てる点もあります。

ビジネストラベルの一環として紹介されるMICE

MICEの有効な活用方法は、通常の観光業とは違ったアプローチで見出していく必要がありますが、MICEがもたらすメリットも少し異なります。

まず、MICEは開催国や都市でビジネスを活性化させたり、イノベーションを促進してくれるという効果が期待できます。

国際会議に参加する企業や学会の参加者は、自国において優秀な実績を残していたり、活躍が期待されている人物であることがほとんどです。そのため、国際会議の場では優秀な人同士が世界中から集い、その場で新しいムーブメントを生み出していく可能性もあるのです。

なぜMICEが注目されるのか

それでは、なぜ今日本でMICEが注目されるようになったのかについて見ていきましょう。

諸外国では積極的に推進

MICEは国内でこそ最近取り上げられるようになったキーワードですが、海外では日本よりも早い段階でMICEへの注目と施策の実施が行われてきました。

上で紹介した国際会議の開催回数ランキングで、日本は7位につけているものの、東アジア地域においては中国をはじめとして、シンガポールなどの途上国も積極的な推進活動を行なっています。

MICEには国家間の誘致活動を通じて、国際競争力・都市間競争力を高め、結果的にその国や都市の成長につながるというメリットも期待されています。

日本がMICEに注目しているのも、国際会議誘致による経済効果を目的とした、地方創生や日本のグローバル化を推し進めていきたいという狙いがあると考えられます。

インバウンドに関連して注目を集める

また、中国人観光客の増加により、ビジネスにではない一般観光客向けのインバウンド施策も各地で浸透しつつあります。国際会議の誘致はこのようなインバウンド施策と並行することで、効率よく進めていくことができるのです。

大きな消費が期待されているMICE

また、MICE参加者は観光客に比べて長期滞在の傾向が強く、その地域に大きな経済効果をもたらすことも期待できます。

ビジネストラベラーは一般観光客と比べて飲食費用や宿泊費用も高額になることも多いため、経済効果も大きいのです。

MICE誘致に向けた企画・事例について

それでは、日本で行われているMICE誘致に向けた企画や施策についても見ていきましょう。

各地で行われるMICE関連のセミナー

MICE誘致に向けたセミナーは、国内のみならず海外の事業者も交えて度々開催されています。こういった活動は日本政府観光局(JNTO)が積極的に行なっており、海外で現地の事業者向けに開催することも少なくありません。

2018年にはマレーシアの旅行代理店向けに初めての誘致セミナーを開催し、現地旅行代理店関係者と日本国内のホテル・代理店業者の関係者が一堂に会しました。

https://www.nna.jp/news/show/1789301

国が積極的に介入して国内外の企業を結びつける施策は、MICE誘致においては積極的に行われています。

もちろん国内事業者向けの研修会や意見交換会も国内で行われているため、興味がある場合は積極的に参加してみるのが良いでしょう。

参考:日本政府観光局(JNTO) MICEセミナー~BASIC~

https://www.jnto.go.jp/jpn/news/20190419_4.pdf

企業や自治体による施策の事例

国だけでなく、企業が自主的にMICE誘致を促す施策を実施している例も見られます。例えばリコーのデジタルコンテンツ提供サービスは、自社のプリント技術やデジタル技術をクライアント企業のイベントに提供し、イベントの集客力・満足度の向上に努めています。

https://www.ricoh.co.jp/solutions/event_solution/special/

あるいは各自治体でも自主的な取り組みが進んでいます。北海道では「ラリー北海道」と呼ばれる誘致イベントを展開しており、国際ラリー大会として十勝エリアを中心に自動車のラリー競技イベントを開催してきました。

https://www.rally-hokkaido.com/jp/

大会参加者や観戦客向けに、その地域への高い経済効果や併催イベントの集客に貢献するとして、注目を集めています。

まとめ

MICEは官民を問わず、その誘致に向けて様々な団体が動いている注目の観光施策です。自分が関心のある地域ではどういった施策が行われていたり、または行うことができそうなのか、他の事例やセミナーを参考にしながら検討してみるのが良いでしょう。

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